第13話・ラビット、俺じゃねーよ

[前回までのあらすじ]
 「とぼけちゃダメだよ、海ちゃーん」
 と意味不明な意思疎通をしてきた外道ことラビ。
 しかしさすがは海ちゃん、ラビの言いたい事をついに当ててしまう事に・・
 これが悲劇の始まりともしらずに・・・


第13話 ラビット、俺じゃねーよ


 何が言いたいんだこのアホは、と思っていたのだが、ようやく理解ができてきた。
「つまりHな画面を見たいということなのかい?外道君」
「はっはっは、何を言っているんだい海君」
 顔をにやけさせながら、はいその通りですという表情をしていた。
 図星かよ、と思いながら
「しょうがないな~」
 といいつつも、海ちゃんはyahooの検索でHに引っかかるキーワードを入れた。
 すべて無料で見られる画像の宝庫。
 なぜこのようなことを海ちゃんが知っているかは不明である。
 ちなみに周りにいる学生は我々だけ。唯一いるのが、アルバイトの指導員だけだった。
 すると、出てくる出てくるHな項目。
 外道は目を輝かせてマウスをクリックしていた。
(おいおい、さっきまで素人の手つきだったのに、玄人並みの手さばきをしてやがるぞ)
 と関心しながら、海ちゃんはメル友の掲示版を見ている方に夢中だった。

 そろそろ利用時間が終わろうとした頃だった。

 海ちゃんはそろそろ終わろうとしていたのだが、隣を見てみるとなにやら外道の表情がおかしい。
「どうした外道君。顔色悪いよ」
「どうしよう~。何か次から次へと変な画面が出てくるんだよ~」
 まさかと思い海ちゃんが見てみると・・・やはりバナー広告の嵐だった。
「まずいなぁ、右上の×のボタンをとにかく押して、画面を消しなよ」
 しかし消しても消しても嵐のごとく出てくる広告。外道も次第にあせり始めた。
 私がちらりと指導員を見た時、
(H画像でもみてんじゃねーよ)と言わんばかりの目でこちらを向いていた。
(やべー、このままじゃ僕まで共犯じゃん!この外道が!人にまで迷惑かけやがって!!俺がみてんじゃねーよぉ)
 人事だと思ってほっとたかしていたら、まさか自分にまで被害が及ぼうとしていたとは海ちゃんも思わなかった。
 そこで海野も前面協力し、何とか時間までにバナー広告を撃退することに成功した。
「いや~びっくりしたよ」
「ったく、こっちはいい迷惑だ!このバカビットが!」
「また二人で来よーね」
「来ねーよ!」
 ぶつぶつ言いながらも、二人は下宿へ帰ったのであった。


[次回予告]
 この後、ついに海ちゃんがメル友を探す事に成功。
 しかしその中の一人が、まさかあの人物だったとは・・・
 その数奇な運命が外道を揺るがす!

次回 「第14話 ラビット、メル友捜索中」 にご期待下さい


※この物語は事実を元に構成された真実です

    [総監督] 海ちゃん                        〔制作協力〕 みっつ



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